2021年度 遺伝研 行動遺伝学研究会

「家畜化機構の解明」

 

我々ヒトは広範な協力を元に複雑な社会を形成し、特異なニッチを獲得したが、その背景にはヒトの「(自己)家畜化」が影響を与えたとする説が提唱されている。例えば、ヒトの骨が幼形化した時期とヒトの高い認知能力の一つであるシンボル利用を示唆する遺跡の時期が一致し、その大脳皮質の構造と発達変化がヒトの言語にかかわることからも、ヒトの家畜化仮説と合致する。興味深いことに、他の家畜化された動物でもヒトの自己家畜と同様の形態変化(ネオテニー)や神経機構の変化(大脳皮質の変化)、行動変化(攻撃性やストレス応答性の低下、社会認知能力の向上)が観察され、近年「家畜化症候群」として、研究が進められてきている。そこで本研究会は、ヒトが獲得した特異的な能力の起源とその遺伝的背景に向け、家畜化された様々な動物をモデルに「家畜化」を遺伝学的、解剖学的、発生学的ならびに文化的にとらえ直し、新たな「家畜化機構の解明」の出発点としたい。(発表言語:日本語)

日時 12月20日(月)13:00 〜 21日(火)12:30

会場 国立遺伝学研究所内 講堂  (静岡県三島市谷田1111 〒411-8540)アクセス

懇親会 懇親会は新型コロナ感染拡大防止のため実施しません

研究会代表者 菊水健史 (麻布大学獣医学部)HP

所内代表者 小出 剛 (遺伝研マウス開発研究室)HP

この研究会では、未発表データについてもご紹介頂き深く議論したいと思っております。そのため、参加者(オンサイト、オンライン問わず)は守秘義務を負うことをご了解ください。また、講演中の撮影、録音、また講演で得られた情報のSNS等による発信などはすべて禁止させていただきます。活発なご議論になることを楽しみにしています。

今回、新型コロナの影響により、オンサイトとオンラインのハイブリッド開催とする予定です。口頭発表者とポスター発表者のみ現地参加をして頂くことが可能です。オンライン情報は、事前参加登録した方のみにお送りします。参加ご希望の方は必ずこのサイトより参加申し込みしてください。また、原則として現地参加の方はファイザー・モデルナ・アストラゼネカのいずれかのワクチンを2回接種終了後2週間以上経過した方とさせていただきます。もし何らかの理由でワクチン接種が受けられなかった方はご連絡ください。 なお、国内の感染状況によっては、全てオンラインでの開催となる可能性があることをご了承ください。

オンサイトとオンラインのハイブリッド開催にあたって、会場の参加者はプロジェクタースクリーンを見て、会場マイクを用いて質問等できるようにしました。ご発表は各自のノートパソコン等で行っていただきます。その場合はご発表の前にZoomミーティングに入り、Zoomの共有画面を通してご発表ください。PCをご持参にならない場合は、こちらで準備しているWindows 10のPCを用いて発表していただいても結構です。Macはありませんのでご理解のほどよろしくお願いします。

ポスター発表 (第1日(20日) 午後5時55分より )
初日の口頭発表後にポスター発表を行います。人数制限の可能性もあるため、公募はいたしません。発表を特にご希望の方は別途ご相談ください。ポスターはA0程度で作成してください。ただし個別のパネルに掲載するため、異なるサイズにはある程度対応可能です。ポスター掲載者は5分間のポスター紹介をしてください。ポスター紹介もオンラインでご発表をお願いします。

旅費・宿泊費支援
発表者には研究所の規定に基づいて旅費宿泊費をお支払いする予定です。市内ホテルにご宿泊の場合の宿泊費は最大で8千円になります。希望者は演題申し込み時にその旨お知らせください。

宿泊
所内ゲストハウスの部屋が若干数あります。希望に添えない場合がありますが、ご希望の方は申込時にご連絡ください。 ゲストハウスには朝食等はありませんので、各自コンビニ等で手に入れて頂く必要があります。
シングルルーム 一人2000円 (研究所より支払われる宿泊費はホテル滞在よりも減額されます)
それ以外は三島市内のビジネスホテルをご利用ください。

参加申し込みはこちら
ウェブサイトより参加申し込みしてください。
参加申し込みされた方のみにオンライン情報をお送りしますので、必ず参加登録をお願いします。


プログラム

12月20日
 13:00 開会の挨拶 小出剛 (国立遺伝学研究所)
13:00 研究会の趣旨について 菊水健史(麻布大学)
 (座長:尾仲達史)
13:25 永澤美保(麻布大学)家畜化によって獲得されたイヌの社会認知と行動
13:55 久世明香(麻布大学)イヌの社会的認知能力に関わる遺伝子の探索
14:25 高木佐保(麻布大学)半家畜化動物、ネコの社会的認知能力
14:50 子安ひかり(麻布大学)半家畜動物ネコの集団形成能力
15:10 休憩
 (座長:小出剛)
15:25 寺井洋平(総研大)ニホンオオカミゲノムから見たイヌの初期の進化
15:55 本郷一美(総研大)家畜化過程におけるヒトー動物関係
16:25 伊澤栄一(慶応大学)カラスにおける集団形成と個体の社会戦略
16:55 石山晋平(ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ)遊びと楽しさの神経機構
17:25 休憩
17:40 ポスター@Glance(ポスター発表者による5分間Talk)
      高橋阿貴(筑波大学)雄マウスの攻撃行動の個体差と脳内免疫細胞の関係
      高浪景子(遺伝研)野生由来系統・実験系統・愛玩系統マウスにおける知覚閾値の系統差
      後藤達彦(帯広畜産大学)ニワトリの従順性行動に関する遺伝解析
      Bhim Bahadur Biswa(遺伝研)Changes in the gut microbiome associated with domestication of mice
      駄場優子(東京農工大学)先天的発声の分子基盤の解明
     青田伊莉安(慶応義塾大学)個体の隔離操作がカラスの群れの行動に与える影響
18:10 ポスター
19:00 一日目 終了

12月21日
 (座長:高橋阿貴)
9:00 新村毅(東京農工大学)家禽の攻撃性の遺伝基盤
9:30 岡部祥太・尾仲達史(自治医科大学)ラットを用いたペット化実験
10:00 戸張靖子(麻布大学)ジュウシマツを用いた家禽化関連遺伝子の探索、ときどき台湾フィールドワーク
(座長:菊水健史)
10:30 山本真也(京都大学)戦争と協力の進化:集団間競合と集団内協力の比較認知科学的検討
11:00 リングホーファー萌奈美(帝京科学大学)ウマの社会性と認知能力
11:30 小出剛(国立遺伝学研究所)家畜化の遺伝学と野生動物への応用
12:00 外谷弦太(東京大学)指定討論
  12:30 閉会の挨拶 菊水健史(麻布大学)
 

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